ロードバイク・フレームの買取例(復刻メルクス)

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埼玉県のお客様より、Eddy Merckx(エディ・メルクス)のコルサ・エキストラの復刻フレームをお売り頂きました。有難うございました。

あまりに有名な、モルティニ時代の”メルクスオレンジ”。ちなみに、モルティニといえばデ・ローザが供給もしていました。メルクスの為に年間で40~50台製作したという話も語られていますね。引退後のメルクスがデ・ローザに師事したことも有名です。mer
1983年、サイクルショーの為に来日したメルクスに、メビウスブランドで有名だった「栗田サイクルスポーツ」の栗田秀一さんがインタビューした記録があります。当時の雑誌を引用してみましょう(サイクルスポーツ 1983年6月号)
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(栗田)
では、いまあなたの工房で作られている自転車は、どんな点に気を配られていますか。
(メルクス)
長いことレースを走ってきた経験が各所に生かされているといえます。品質はもちろん、特に安全性を大事にしています。
(栗田)
安全性とは・・・。
(メルクス)
レースでの下りは、スピードが時速70~80kmになりますからね。そんな場合でも使ってくれる人が安全でさ、満足してくれればいいのです。そのためには、フレームチューブとラグの品質、そのして溶接温度が大切ですね。
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あえて安全性を第一に掲げる点が、さすがレーサーといえるでしょうね。miyata2
ところで写真はサイクルスポーツ1973年12月号の裏表紙です。(クリックで拡大します。)
「世界の名車 エディ・メルクス 前人未踏のレース280勝。世界一速い男エディ・メルクス。スーパースターのレース体験から生まれたスパーサイクル」というコメントが入ったこのモデル、よく見ると右下のブランドマークはMIYATAですね。そうです、日本のミヤタがオレンジ色のエディ・メルクスシリーズを販売していたことのはご存知でしょうか。

そのラインナップも、写真のロードレーサーはもちろん、トレックレーサーからツーリング!、4サイドのキャンピング!!、サイクルサッカー!!!まで全13車種が発売されておりました。
イタリアンロードからフランスの車種体系まで、ひっくるめてのフルラインナップです。RIMG0179aaa
ちなみに、コガ・ミヤタを立ち上げ、後にジャイアントの初代社長になった沼勉さんの述壊によると・・・
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「私が入ったのは1969年でしたが、ミヤタは一般者と子供者ぐらいでスポーツ車はぜんぜんやっていなかった(中略)当時のミヤタやその技術もアイデアもなかった。それで一つのアイデアとして1973年に『エディ・メルクス』ブランドを立ち上げたんです。」残念ながらメルクスブランドは成功しませんでした。「けれどもこれの影響でミヤタが自社でスポーツ車を作れる下地ができて、それからコガ・ミヤタの仕事が始まるんです。」(注1)
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また、片倉シルク出身で現在「絹自転車製作所」代表の荒井正氏さんの感想は・・・
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(メルクスがキャンピングとか出す違和感はあったが)「でもスポーツ車のフルブランドをもってるメーカーは当時なかったわけでね。だからそれをミヤタがボンと出したっていうのはびっくりですよね。そrを手本のように示したのはすごい。」(注2)
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という訳で、本家のメルクスから、ミヤタのメルクスまで逸れてしまいましたが、このようは話があるだけで、メルクスの偉大さが分かりますね。
まさにメルクスの敵はメルクス・・・です。
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(注1)「クロモリ ロードバイク-鉄ロードの全てがわかる-」(エイムック2001。2010年)内の座談会(沼勉、横尾明、梶原利夫)による。何よりも、この面子が揃ったということ自体が凄い。
(注2)「旅する自転車の本 Vol.2」(エイムック2048。2010年)内の座談会(メーカー開発者が語るマスプロランドナーとその時代)より。
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