巌道峠、大川原天神峠から和田峠、五日市へ/サイクリングの記憶

前回は秩父・文殊峠超えのご紹介でした。今回は冬ということで、同じ12月に訪れた記憶を蘇らせてみましょう。日付は今から11年前、2003年12月12日です。


【 ルート 】 JR上野原駅-県道35-巌道峠(安寺沢林道)-国道413(道志みち)-大川原天神峠(大川原林道)-JR藤野駅前-和田峠-醍醐峠(醍醐林道)-入山峠(盆堀林道)-JR武蔵五日市駅前-自宅
【 車 種 】 ランドナー
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関東のサイクリストにとって、道志は良く知られた場所だ。その中でも代表的な峠、巌道峠を走ることにした。
8時に上野原駅を出発。桜井トンネルを抜けて、安寺沢(あてらさわ)川沿いの集落に入る。
途中、霜が降りた土手の段々畑を耕している方をお見かけする。集落は結構奥まで続いている。
1988年に開通した林道によって、道志-秋山間は、西の都留市や東の藤野へ迂回することなく車の通行が可能になったという。集落の人達にとっては待ち望んだ道なのかもしれない。

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道路脇に原形のまま保存されている郷倉。江戸時代に年貢米などを貯蔵した。 IMG_0013z
峠には9時半過ぎに到着。標高は795m。写真は峠全景。脇には林道開通記念碑がある。
右手に山道へ続く階段がある。
昔はマユや絹糸が道志から上野原の市へ峠を超えて運ばれたという(※1)。
なお「甲斐国志」には強盗坂、強盗峠と記述されているが、ガンド、すなわち岩のある峠のことだそうだ(※2)。その後、強盗峠という漢字を当てたのは、やはり追剥ぎなどの危険があったのだろうか。
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峠直下で道は二手に分かれ、左は野原林道。恐らく舗装であろう。
今回は右へハンドルを向けるが、砂利道の上、かなりの急勾配だ。押しながらノロノロと下る。
この急勾配のため、昔は下から登ると峠の場所を見間違えることから「ソラツ峠」、つまり「空ツ峠=からの峠」とも呼ばれたという(※1)。
下り終えると国道413号(道志みち)に合流する。
あくまで昔の話です。今は舗装かもしれませんので、最新の情報をご確認下さい。IMG_0035z
道志みちは細かな起伏が多く、結構足に応える道だ。
途中で北に別れ、大川原橋を渡って舗装された林道を登っていく。
途中で落ち葉掃きのお仕事中の方とご挨拶。励ましのお言葉も頂戴して、感謝、感謝。
地元の方とのふれあいも、ツーリングの楽しみですね。
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この大川原天神峠、かつて大川原や青根の集落で副産物として織られた絹織物が、厳道峠同様、上野原の市へ運ばれたそうだ(※3)。どの峠道もそうだが、集落の人にとっては生活の為の道なのだ。

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庚申塔。綱子の集落にて。
側面に「庚申供養」、「宝暦」の文字がある。江戸時代のものだろうか。

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とりあえず藤野駅前でひと休み。時刻は12時半、時間も何となく中途半端なので、思い切って和田峠を越えて八王子に抜けよう。2年前は新醍醐峠から下っての和田峠であったので、今回は逆ルートである。
車道は12%勾配表示の箇所もあり、もはや足も売り切り寸前だ。途中で埼玉から自走してきたというMTB氏と一緒になって、峠までお互い励まし合いながら登っていく。
峠の標高は688m。陣馬山の登り口に当たるせいか、茶屋の前には小型バスなども停車して賑わっている。
ちなみに「和田」は峠の西側の集落名だ。東の集落名(現在の恩方)から「案下峠」とも呼ばれた(※3)。その「案下」とは、峠に似たもので片方が急になっている場所を呼ぶ「アゲ」が「アンゲ」に変化したという説がある(※4)。確かに峠から恩方への下りは急である。
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一息入れた後、件のMTB氏と一緒に、(旧峠とは別に林道上の新)醍醐峠へ登ることに決める。車に追い立てられながら急勾配の道を下るよりは、静かな林道を走る方が良いという判断だ。それに、少しだけ登ればすぐに峠に到着出来る。ダートな道をMTB氏は猛烈なスピードで登り、瞬く間に姿が見えなくなる。
それにしても醍醐川に沿った道は、しっとりとして雰囲気の良い道だ。こんなに良い雰囲気だったなんて、2年前のことはすっかり忘れてしまっていたなぁ・・・。
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MTB氏と別れてからも、勢いというものは恐ろしいもので、そのまま盆堀林道へ進み、新入山峠を目指すことにする。
途中、入山トンネル脇の急斜面で、猟犬を連れた数人の猟師が獲物を引きずって降りてくる場面に出くわす。大きさから見て、猪だろうか?これから八王子へ売りに行くようだ。5万円で売れればなあ、なんて声が聞こえてくる。
その後、新入山峠を越えて、武蔵五日市駅前から家路についた。

(参考文献)
(※1)「県別ふるさとの民話37 山梨県の民話」(日本児童文学者協会 偕成社 1982年)
(※2)「甲斐の山山」(小林経雄著 新ハイキング社 1992年)
(※3)「かながわの峠」(植木知司著 かもめ文庫 1999年)
(※4))「多摩の地名」(保坂芳春著 武蔵野郷土史刊行会 1979年)


後にも先にも狩猟の現場を見たのはこれが最後です。
この後、世田谷の長谷川自転車商会さんに寄って、今日のツーリングの話をしながら、美味しいコーヒーを頂きました。良い思い出です。
それではまた次回!
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