2003ジャパンカップ観戦記(宇都宮市森林公園)

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今回の”サイクルイベントの風景”は2003年のジャパンカップの観戦記です。

「ジャパンカップはアジアにおける最大レースの1つであり、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアといった、世界の第一線で活躍する選手たちの本気の勝負を間近で見られる日本で唯一の大会でもあります。 現在ワンデイ・レースとしてはアジアで唯一、最上位カテゴリーのオークラス(Hors Class = 超級)のレースとなっています。」(2015年ジャパンカップ公式サイトより引用。)

このようなプロのロードレースを間近で見る機会があり、その迫力は予想以上、幸せな体験でした。皆様も機会がありましたら、ぜひ一度ご観戦してみて下さい。お勧めです!
(なおコースや観戦マナーはあくまで2003年当時の状況です。最新の情報は主催者のサイトをご覧下さい。)


本日はサイクリング仲間のお誘いでサイクルロードレースを見に行く。

沿道でのロードレース観戦は自転車は初めて。定番のマラソンでも、中山竹道選手を見たのは何時のことだったか・・・。
とにかく生で観戦する機会など滅多にない。まして本大会はヨーロッパのトレードチームも出場する国内最高峰の大会だけに、とても楽しみだ。

7時半にJR宇都宮駅に到着。駅舎には「歓迎ジャパンカップ」のポスターが貼ってある。
会場の森林公園に向けて街中を自転車で走っていると、チームカーなど関係者の車に出会う。そして沿道には大会のノボリも立ち、いよいよ気分も盛り上がってくる。IMG_0003a
会場は既に大勢の観客で賑わっていた。我々のような自転車組も多く、雑誌で見かけるような高級ロードが道路脇のあちこちに停めてある。

広場では、サエコ、スバルといった各ブースが出展しており、選手のポストカードなどを配っている。そしてコースの裏手にピットがあり、当然立ち入り禁止なのだが、ウォーミングアップか、ファンサービスか、自転車に乗った選手がピットからコース内に出てきてくれる。とたんにファンに囲まれ記念撮影とサイン攻めだ。地元の方と思われるオバちゃん達もおり、サイン帳片手に選手を追いかけている。選手たちもそれに応じ、緊張の中にも和やかな雰囲気だ。
写真はファンサービスに応じる、ビアンキのガルシアカサス選手とプラザ選手。

さて、コースは1周14.1kmを全部で11週し、全151.3km。
途中には最大勾配14%の登り坂もある。会場で購入したパンフレットにはプロフィールマップも掲載されており、意外と起伏の多いコースだということがわかる。IMG_0008a
いよいよ午前10時にレースは開始。
スタートからいきなりの登り坂なので、はじめから勢い良くダンシングした選手たちが目の前を一気に駆け抜ける。

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我々も選手の後を追うことにする。
最初は歩いて移動していたが、他の観客は自転車を沿道に持ち込んでいるので、警備員に確認すると、最後の回収車が通り過ぎた後なら走行はOK、ただし逆走はNGとのこと。
という訳で、今しがた選手が疾走していった道を我々も自転車で移動するのだが、それが何とも言えずに不思議な気分だ。

自転車で走りながら観戦に良さそうなポイントを探す。山岳賞が設定されている古賀志林道のピーク(写真)、県道への下り道、田野町交差点のカーブ、鶴CC手前の登り坂など。
適当な場所で地面に腰をおろし、選手が来るまではノンビリ待機だ。まるでサイクリングの途中で日向ぼっこをしているかのような、ゆっくりとした時間が流れる。このギャップもいい。

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そのうち白バイの姿が目に入り、オフィシャルカーが通り過ぎると、いよいよ選手の姿だ。
まずは逃げの選手が走り抜け、次に集団が一気に走り過ぎる。束になった風が吹きぬけ、文字通り旋風が巻き起こった。拍手と共に、頑張れ!アーレ!の歓声だ。友人氏はサインを貰ったビアンキのガルシアカサスに声援を送っている。選手に続いてチームカーがタイヤを鳴らしながら追随して、最後に回収車が去ると、何とも言えないざわめきが起こり、再び元の静けさに戻る。弛緩と緊張の連続。その繰り返しだ。

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さて、我々もコースを1周してみるが、さすがに登り坂はキツイ。もう、1周で勘弁願いたいという道だ。それを11週するとは(しかもロードのギア比で!)、やはり選手と言うのは只者ではない。
なお会場ではラジオ局が中継をしている。今度からはラジオ持参で観戦すると、細かい展開が分かって一層楽しいと思う。
写真は田野町交差点のカーブ地点。道幅いっぱい使ってのコーナーリング。

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鶴CC付近にて、最後の登り。先の林道より勾配はきついそうだ。
レースの方は、日本人3名が登り坂を利用して開始早々にアタック。
逃げを形成し、一時は集団に5分の差をつけるも残り3週で吸収。最後は集団から飛び出した外人選手2人のゴールスプリントで、ランプレのバルベーロが昨年に続いて2連覇を達成する。99年についで3度目。2位はクイックステップのシンケビッツ、3位はコフィディスのトレイティン。ガルシアカサスは惜しくも4位。日本勢では田代恭崇(BSアンカー)の10位が最高だった。

帰りは新鹿沼駅までひと走り。
他の観客は宇都宮駅方面に流れるのだろうか、観客の姿もほとんど見ない。駅前で軽い食事をした後、電車の座席では、心地良い疲れとレースの余韻に浸って、いつしか夢の中に入っていった。
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(参考)
・ジャパンカップ公式サイト http://www.japancup.gr.jp/
・日本自転車競技連盟 http://jcf.or.jp/

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